2026年度(令和8年度)の税制改正大綱が決定し、個人事業主の確定申告を取り巻く環境は大きく変わります!

1. インボイス制度「2割特例」の終了とその後

インボイス登録をした小規模事業者の税負担を「売上税額の2割」に抑えていた激変緩和措置が、2026年9月末をもって終了します。

  • 2026年分の計算: 1月〜9月分は「2割特例」、10月〜12月分は「簡易課税」または「本則課税」という2段階の計算が必要になる可能性があります。
  • 実務のポイント: 特例終了後は、納税額が数倍に跳ね上がるケースが珍しくありません。2025年中に「簡易課税制度選択届出書」を提出すべきか、シミュレーションが必須です。

2. 「年収の壁」178万円への引き上げ(基礎控除の拡大)

「手取りを増やす」施策の目玉として、所得税の非課税枠が拡大されます。

  • 改正内容: 基礎控除と給与所得控除(最低額)の合計が現行の103万円から178万円へ引き上げられます。
  • 個人事業主への影響: 青色申告特別控除(最大65万円)と合わせると、「所得(売上-経費)が243万円(178+65)」まで所得税がかからない計算になります。小規模な事業主にとっては非常に強力な減税です。

3. 青色申告特別控除の「75万円」への拡充

デジタル化をより一層進めるため、控除額の体系が再編されます。

  • 新設される75万円控除: 従来の「65万円控除」の要件(複式簿記+e-Tax)に加え、「優良な電子帳簿」(訂正・削除履歴が残るなどの要件を満たす会計ソフトでの保存)を利用している場合に適用されます。
  • 紙申告のペナルティ: 2026年度分より、紙で申告する場合の控除額が縮小・廃止される方向です。**「デジタルなら75万円、紙なら10万円」**という大きな差がつくため、ソフトの導入が急務です。

4. 暗号資産(仮想通貨)の「分離課税20%」への移行

長年要望されていた暗号資産の税制が、ついに大きな転換期を迎えます。

  • 現行: 最大55%の「雑所得(総合課税)」
  • 2026年度改正案: 株式やFXと同様の**「申告分離課税 20%」**へ移行。
  • メリット: 税率が下がるだけでなく、他の所得と切り離して計算でき、損失の3年間繰越控除も認められる見込みです。投資を行っている事業主のキャッシュフローが大きく改善されます。

5. 自宅兼事務所の「家事按分」と「住宅ローン控除」の衝突

在宅ワークが一般的になる中、税務署のチェックが厳しくなっているポイントです。

  • 「50%ルール」の壁: 住宅ローン控除を受けるには、床面積の50%以上が居住用である必要があります。
  • 注意点: 節税のために事業用割合を増やしすぎると、住宅ローン控除が全額受けられなくなるリスクがあります。
  • 新基準の動向: 2026年からは、物価高に伴う住宅価格上昇を考慮し、所得制限などの緩和も議論されていますが、按分比率の根拠(面積比や使用時間など)を明確にしておくことが、これまで以上に重要になります。

2026年(令和8年)に行われる2025年(令和7年)分の確定申告期間は、2026年2月16日(月)から3月16日(月)までです。 

確定申告は自分でもできますが、合ってるか不安、税金の計算が複雑で分からない。そのような場合は税理士へ依頼いただければ、申告書の作成・申告もスムーズ、税務調査リスクも下げることができます。


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