設備投資の特例と並んで注目したいのが、「飲食費」に関連する税制の見直しです。物価高の影響で「これまでの基準では足りない」という現場の声に応える内容となっています。
1. 福利厚生の「食事補助」非課税枠が2倍以上に!
最も大きなトピックは、会社が従業員に提供する「食事補助」の非課税限度額の引き上げです。
- 月額上限:3,500円 → 7,500円(税別)に引き上げなんと42年ぶりの見直しです。これまでは「1日あたり100円ちょっと」という実態に合わない金額でしたが、今回の改正で、福利厚生としてより手厚いサポートが可能になります。
- 深夜勤務の夜食代:300円 → 650円に引き上げ交代制勤務や残業が多い職場にとって、非課税で渡せる金額が増えるのは大きなメリットです。
2. 接待飲食費の「1万円基準」は継続・定着へ
令和6年度(2024年度)の改正で、取引先との飲食費を交際費から除外できる(会議費等にできる)基準が「5,000円」から**「10,000円」**に引き上げられましたが、今回の改正でもこの流れは継続されます。
- 1人あたり1万円以下であれば、中小企業の「800万円枠」を使わずに全額経費(損金)に算入できる仕組みです。
- これにより、高騰する外食費にも対応しつつ、積極的な営業活動を支援する姿勢が維持されています。
改正後のチェックリスト
| item | 旧基準 | 改正後(令和8年度~) |
| 食事補助(福利厚生) | 月額 3,500円 | 月額 7,500円 |
| 深夜の夜食代 | 1回 300円 | 1回 650円 |
| 接待飲食費(除外基準) | 1人 10,000円 | 1人 10,000円(継続) |
| 中小企業の損金算入枠 | 年 800万円 | 年 800万円(継続) |
経営・経理への影響は?
今回の改正は、**「従業員の満足度向上(リテンション)」と「物価高対策」**の2軸でプラスに働きます。
- 採用力の強化:食事補助を上限の7,500円まで引き上げることで、実質的な手取り額を増やす効果があり、採用面でのアピールポイントになります。
- 節税と福利厚生の両立:会社側は経費として落とせ、従業員側には所得税がかからない「非課税枠」を最大限活用することが、令和8年度以降の賢い経営戦略と言えるでしょう。
記事のまとめ
令和8年度の税制改正は、**「40万円までの設備投資」と「手厚い食事補助」**という、中小企業の攻め(投資)と守り(人財)の両面をサポートする内容になっています。
